村中 学という男
2005年6月。
当時29歳の、とっても破天荒な元ヤンキーの1人の男が起業した(笑)。
名前は 村中 学。
私の友人である。
ちなみに会社名は、今では知らぬ者はいないであろう。
アフロヘアーのキャラクターで、テレビや映画館のCМでもお馴染みの、株式会社ABC不動産の代表取締役社長である。
起業した当時、ミヤモト家具で事務所の家具を揃え、
「富山の不動産業で№1の企業を目指したい!」
と、意気揚々と会社を立ち上げ、たったの7年間で、年商8億円を売り上げた、波乱万丈の男の話である。
複雑な家庭環境で育った彼は、学生時代にリーゼントのし過ぎで、頭が少し薄い訳であるが(笑)、私が今までに出逢った人の中で、彼ほどに優しく、男気のある人間に逢ったことが無い。
今でこそ、富山を代表する社長に登りつめた彼ではあるが、これまでの道のりは決して平たんでは無かった。
何度も事業に失敗しながらも、並外れた精神力と、今では「死語」ともいえるド根性で、幾度となく訪れた会社の危機を乗り越え、ついに彼は、不動産業で県内トップクラスの企業に登りつめた。
ミヤモト家具とは、あまり結び付かない業種なものの、彼は、ことあるごとに、私を頼りに店に訪れては、新しく立ち上げた店舗のプロデュースや、建売物件の家具のコーディネート。更には沢山のお客様を紹介し、いつもミヤモト家具を応援してくれている。
実は昔、私が新しい事業を始めた時、彼に手伝ってもらおうと、お願いに行った事がある。
その時、彼が私に言った言葉が、今でも忘れられないのだ。
「宮本さんが仮に何をするにせよ、宮本さんの頼みは断れないよ」
当時、その帰り際、私は胸が一杯で、隣にいたスタッフに話しかけられようと、一言の話をすることも無く、会社までの道のりを、ひたすら泣くのをこらえて帰った。
立派になった今でも、どこかVシネマ系のかおりの残る村中社長。先日一緒に飲みに行ったときに、「爽やかな笑顔で写ってよっ!」と言うと、
こんな感じである(~_~;)
とても爽やかとは言い難い(笑)。
彼は、ここまでの道のりの中で、想像も出来ないくらいにツラい事があろうと、決して誰にも口にせず、つまらない冗談ばかりを言っては、皆の失笑を誘う。
努力の数では、きっと、私の比では無い。
以前、彼に聞いたことがある。
「仕事は楽しいですか?」
すると彼は、
「う〜ん。自分は、いろいろと失敗してきたから…困っている人をほっとけないんですよ。不動産業は、困っている人を助けてあげる事ができるんです。」
そんな言葉から、ひとりでも多くの人を幸せにしてあげたいという思いが伝わってきた。
彼の言う「困っている人」とは、本当にどん底を味わった人の事だ。
人は誰でも、本当は恵まれていて、幸せであるにも関わらず、それに気付かない人も多いと思う。
村中 学
実は私の同級生。
幾多の試練を乗り越え、何度もつまづきながらも歩みを止めること無く、幾度となくはいあがってきた、とっても勇敢な男の話。
彼もまた、私の、大切なヒトである(*^_^*)。
宮本 豊彰
ミヤモト家具
INTERIOR SHOP MIYAMOTO
株式会社 ABC