スーパーふらっと

先日、定休日と合わせてニ連休いただきまして。

そこで何していたかと言えば、ひたすらアニメ観てました。

ぶっ続けで。



全26話

単純計算で26話×30分=780分=13時間



視線が冷たくても、肌寒くても、懐はあったかくいたい……

もとい、心はあたたかくいたい。

ハブアナイスデー?

ハートウォーミングひまたです。



そんで見てたのはこれです。

無限のリヴァイアス」(1999・サンライズ

古くからあるジャンル、漂流ものです。

誰かも分からない敵から襲撃を受け、やむなく宇宙船で銀河を放浪する子供逹。

宇宙船の中での共同生活。

当初はすぐ救助が来ることを信じて協力しあいますが……

様々な不安、欲望、希望が渦巻き織り成す人間ドラマ。

絵柄こそ正にアニメですが、根底にあるテーマは“人”なので見応えある作品です。

コンセプトモチーフは、小説の「蝿の王」(1954・ウィリアム・ゴールディング)等。

こちらは宇宙船に閉じ込められるのではなく、

無人島から出られなくなった少年達の物語です。

その島で唯一得られるご馳走、“豚”

作品の中での、様々なものの象徴です。

映画でも、長いもので3時間程度。

長ければ、その分多くのことを語れます。

連続ドラマしかり、新聞小説しかり…

連続アニメは26話あれば、13時間。

映画の4倍以上の時間です。

一体何をそんなに語るのでしょうか?



ミヤモト家具に来店されるお客様は、あっという間に時間が過ぎたとおっしゃる方が多いです。

楽しい時間は早く感じると言いますから、

そう言っていただけるのは何よりの喜びです。

その時間内に、私達は様々なことを語っています。

製品のことはもちろん、お客様の好みを聞いたり、

時には自分のことを話したり......。

何故そんなに話すのか?

「製品の良さをお客様に伝えたい」

もちろんそういう思いが念頭にありますが、

それだけが理由ではありません。

そこには、人と人は何故話すのか?

根源的な意味も含まれています。





私の好きな小説に、『ベルカ、吠えないのか?』(著;古川 日出男)という作品があります。

小説等の冒頭には、

『この物語はフィクションであり、実在の人物、団体等とは一切関係ありません。』

という注意書きがよくありますが、

この作品の冒頭では少し変わった記述になっています。以下、抜粋。



これはフィクションだ。

 だがこの世界にフィクション以外に何がある?



物語はフィクション、作り物です。

物語も歴史も製品も、大概の物は人の手によって作られた物です。

よくご飯食べている時に言いますよね。

「お米は農家の人が一生懸命作ったのだから、一粒残さず食べましょう!」

『だからなんなのか……』

そう思う方もいらっしゃると思います。

しかし、そこで“農家の人”というイメージを構築し、

自分の食卓にまで並んだ工程を想像すると、

味わいもまたひとつ違ってくるものです。

ただの思い込み?いえいえ、違います。

そこで生産者と利用者の関係が構築されるのです!

食物の場合でしたら、血となり肉となり。

生産者の物語は、

利用者の物語へバトンタッチされます。

スーパーなんかでも最近ありますよね。

生産者の顔が掲示されているもの。

そこには流通ルートの説明文だけではわからない、

人の物語を感じさせます。

では家具の場合では?

家具のストーリーをお客様に引き継ぐことが出来ます!

更に、

無垢材なら、その後のストーリーもお客様で作り出せます。

そこには、

ただ消費するだけでない、“本物”があるのだと思います。



言語学者でもあり、『指輪物語』原作者でもあるJ・R・R・トールキンは、

ファンタジーこそが、現実に対抗する手段」だと言っています。



日々の生活を彩る物語を、みんなで紡げていけたらいいなあ……。

などと、

アニメを見ながら思っていました。





日俣

INTERIOR SHOP MIYAMOTO

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