幸せ配送人 舟崎 智也

           「トモヤ!きょうは、さすがにモリモリ荷物があったから疲れたやろ!」

            「いえ。社長!余裕です!!!」

 なぜか最近、毎日のように交わされる、私とトモヤの会話である。

私はいつか、「さすがに今日は疲れましたぁ〜」というトモヤの言葉を聞こうと、毎日同じ質問をするわけであるが、どれだけ経ってもこの男。

いまだ弱音を吐かない頑固者である(笑)。

何年か前までは「配送専属の従業員なんて必要ない」

なんて思っていた私が、その重要性を年々感じ、「配送も極めると職人」という考えの元、ミヤモト家具に初めての配送専属の社員を育成することに踏み切った。

                         舟崎 智也

彼は、その第一期生としてミヤモト家具に入社した。

配送?そうです。こんな仕事です。


       

         


 わかりにくいですが、奥がトモヤ。この写真は積み込みの様子です。


         


 時には検品しながら、オイルを塗ったり、


         


 「カメラ目線にしろよっ!」

というと、照れ笑い(^^)

 ちなみに、この配送という仕事。

地味に見えるかもしれないが、本当に魅力的だし、最もと言っても過言じゃないくらいに、重要な仕事である。

では、ここまでの過程を、ご説明しよう。

 デザイン→製造→接客→コーディネート→打ち合わせ→販売→配送

いわゆる、最後の締めで且つ、お客様の反応が最もリアルに感じられるのが配送で、どれだけうまく接客して販売しても、本当にお客様の喜ぶ顔は、配送に行かないと見ることはできない。

当然、その逆もあり得るわけであるが、お客様から感謝をいただけた時の、その喜びときたら何とも表現しづらいほど、格別な喜びを感じるわけである。

いわゆる、ミヤモト家具の配送員は、家具を配送しているのは事実だが、同時に、お客様の「幸せ」をお届けしているという自覚の元に取り組んでいる。

昨今、大手量販店の配送の対応のまずさを耳にするが、悪いのは配送員ではない。

全て委託して、配送業者に責任を一任する店側の責任であると私は思う。

今から三か月ほど前であったろうか。

トモヤに、

「なぁトモヤ。俺は、家具屋の配送員って、こんなに素敵な仕事なんだぜって、いつかみんなから憧れられるような、そんな職種にしたいな」

というと、

「…ハイ!」

と嬉しそうに返事をしたトモヤ。

なぜかたまに、みんなが帰った後のデスクで一人。


             


残って仕事をしている様子は、とてもシャイな男だが、時にとても頼もしく見えることがある。

先日、うちの店長に、

「トモヤは配送中、どんな感じなん?」

と聞くと、

「あいつはホントにいうこと無いくらい一生懸命にやってくれますよ。ただ面白いのは、助手席で、こいつ死んでるんじゃないかと思うほど、疲れ切った顔をしている時があるんですよ〜(笑)」

と言っていた(^^)

なるほど〜。あいつ俺の前でやせ我慢していたのか!と思い、先日、明らかにメチャクチャ忙しい日に、

「トモヤ、きょうは、さすがのさすがに疲れたやろ!」

と聞くと、

 「いや社長!僕のマックスが100だとしたら、きょうは3くらいですかね!!!」

と、返してくる頑固者(^^)。

不思議な男だ。

いまだに愚痴のひとつもこぼすことなく、いっこうに弱音を吐かないトモヤを見て、私は「家具屋の配送人」がいつか憧れの職業になる可能性を感じたし、ミヤモト家具が先陣を切ってそうしなければならないんだな(^^)と、感じたそんな夜。

今のところは、発展途上も甚だしいが(笑)、うん!トモヤと一緒に頑張ってみよう。


                     舟崎 智也 22歳


「プロの配送員になれよ」と彼に言ったものの、その定義はと言われると、私もよくわからないのだが(笑)、いつの日か彼自身が、その意味を、ミヤモト家具のスタッフに教えてくれる日が来るのかもしれない。



「トモヤ!明日の忠告をしておくぞ!!!明日こそは超モリモリ配達やし、きっと、…疲れるとおもうけどな(*^_^*)」




                                            宮本 豊彰


ミヤモト家具

INTERIOR SHOP MIYAMOTO

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