伝えたいこと(^。^)y-.。o○

 就職難と言われるこの時代の解決策。

 きっと無いんやろ〜な〜と思うきょうこの頃。

 私は最近、新卒の面接と、職人の面接、メールのやり取りなどに、意外と、いや随分と時間を使っている。

 特に感じる事は、職人の世界は特別である。

 この分野においては、やはり経験者が欲しいという思いもあり、すでに何十人と面接した中で、みなが口を揃えていう事が、

 1.仕事があるときと無い時の差が激しく、働きたい時に働けない。

 2.時間と納期に追われ、少人数で朝から夜中までの仕事は当たり前。その上、給料は減る一方。

 3.無垢材を使った仕事は、富山では極端に少ない。

 4.基本的に、最後は価格。よって、無垢材はおろか、ポリやメラミンなどの化粧板を使うのがオチ。今ではニトリさんなどの輸入品と比較されるも少なくない。

 といった内容を、面接しながらよ〜く耳にした。

 職人の業界の中でも、極めて日本の家具職人の現状は厳しく、独立して、家族を養っていけるだけの仕事を確保することは至難の業。

 いわゆる、食べなければ生きて行けない飲食をベースとする職人とは違い、購入を我慢することが出来る家具業界は、独立・企業するのに最も難しい業界であると言えるだろう。

 そんな中、私は新工場設立にあたっても、無垢材にこだわり、職人がカッコよく生きて行ける職場を目指し、富山の家具業界を、根本から変えてやろうと思っている。

 誰かがやらないと変わらないのであれば、私達、ミヤモト家具がやらんとアカンのやろうなぁ〜と勝手に思っているのだ。

 すぐに100%は無理だけど、よくありがちな、コジンマリと細々とやって行くつもりも毛頭なく、いつかは、社会に貢献できる工場に育てて行くことが私達のビジョンであり、「夢」である。



 今日、一人の家具職人の青年が、ミヤモト家具に面接にやってきた。

 二度目の面接に来たT君は、とっても好青年で、私とも、好みや思い、ビジョンが一致する。

 必死にアピールしようと、仕上げてきたばかりの椅子のデザインを見せるT君。


               


 とっても良かった(^^)。

 性格を含めた人間性も、職人としての能力も、文句なしのまさに好青年であり家具職人。

 ただ、実はここ5年間で、私は今が一番悩んでいる。

 能力のある職人が、富山でその実力を発揮すること無く、仕事に飢えている中で、私は誰をパートナーとして選ぶべきかの選択にせまられている。

 面接に来た中で、それくらい有能な職人は多かった。

 数々の自分の作品を見せる者。


               


 どれも素晴らしく彼らは仕事に飢えていた。

 今まで、自分の好きな無垢材の家具に囲まれて、沢山のお客様に支えられているにも関わらず、時に「しんどい」なんて思ったこともある自分に、面接をしながら嫌気がさした。

 我々、ミヤモト家具は、本当に恵まれていると思う。

 数日前、面接にきたF君の言った言葉が耳から離れない。

             「ミヤモト家具さんの力で、この業界を変えて欲しい」

 造作家具屋さんで働くF君は、本物の天然木もろくに扱えず、納期と価格が大前提の今の仕事の中で、やれて当たり前、といったようなレベルの中で、お客様から感謝されることも無く、もがき苦しんでいた。

 きょう面接に来たT君は、仮に今回の選考で漏れたとしても、これからもずっとお付き合いしたくなるような、本当に無垢で気持ちの良い青年だった。

 将来性をとるのか、経験をとるのか、私の悩みは暫らくのあいだ、解決しそうにも無い。


 ただ、面接に来た職人の皆が、私に伝えたかった事。100%伝わりました。

 これを必ず学びにするよ(*^_^*)

 面接にきてくれた沢山の家具職人の皆さん。仮に今後の働き先がミヤモト家具で無かったとしても、皆様の富山での活躍を、心より願っています。

 大切な事を気づかせてくれて、本当に、ありがとう

                                      宮本 豊彰


ミヤモト家具

INTERIOR SHOP MIYAMOTO

http://www.miyamoto-kagu.net