大切なヒト
誰しも学生時代は勿論の事、働き始めてからでも忘れられない出逢いを幾つも経験する。
自分についた初めてのお客様や、本気で向き合ってくれた職場の同僚。同期入社の良きライバルや親身に指導してくれた先輩や上司。誰しも思い出深い出逢いがある。
先日、長きに渡りミヤモト家具を支えてくれたお客様が岐阜に転勤になり、きょう名残惜しむように富山を後にした。
名は ヒトボさん
お兄様が以前うちでソファーを購入したのがキッカケで、新築で入居するマンションの家具を探しに来た。当時、他の家具屋さんで購入する家具を決めていたヒトボさんは、そこでサインする前に、最後にミヤモト家具に行ってみようと奥様と立ち寄ったのが最初の出逢いである。
その日、すぐに店の事を気に入っていただき、
「ミヤモト家具さんで、マンションの家具を一式プロデュースしてほしい！」
とのご依頼を受けた。ここまでは珍しい話ではないが、ヒトボさんの要望は全てオーダー。新築のマンションを丸ごとリホームするといった「こだわり」に便乗した私は、ヒトボさんの希望通りにオリジナリティー溢れるオーダー家具を丸ごと一式ご用意した。
その後、個人的にもとても深いお付き合いになり、こんなことを言っては失礼かとも思うが、ヒトボさんに会うたびに幸せな気分になれると同時に、「お客様の枠を超えたお客様」と言えばよいのか、何だかとても癒されるわけである。
先日、単身赴任先の岐阜のアパートに、新調した家具をお届けした。
全て、ブラックウォールナット無垢材の家具にてご購入いただいたが、単身赴任先のアパートで使う品とはとても思えないクオリティー。家具は勿論、カーテンや布団にシーツまで、またまた一式をご購入いただき、
「仮住まいのアパートとはいえ、仕事から毎日帰る場所に、ミヤモト家具さんくらいの心地よい家具がないと、寛ごうにも寛げないですよ。そんなことでストレスになるのは嫌だから」
と話すヒトボさん。そして…
「社長！ひとつ私からお願いがあります。配送料はサービスしていただかなくても結構です。私も運送会社で働く人間として、燃料代と高速代は、必ず請求してください」
何だか、仕事にプライドを持つ、ヒトボさんらしい言葉である。
これまでに、長いお付き合いの中で頂いた数々の激励。その中でも忘れられない一言がある。
「社長！いつもブログを楽しみに見てるけど、更新している時間を見て心配してるんだ。いつも遅くまで働いているけど、たまには手を抜いたらどうだろう。若くして亡くなられたオヤジさんみたいになっちゃアカン！社長にはいつも元気でいてほしいから」
疲れている顔でもしていたのかな。このブログを書きながら、思い出すと何だか泣きそうになっちゃいます(T_T)。ヒトボさん、僕なら大丈夫です。
この仕事をし始めたばかりの頃は、仕事が無くて、ホントしんどかったけど、今は沢山のお客様に必要とされることに本当に幸せを感じるんです。
きょう、先日の配送の御礼にと、お店に立ち寄って頂いたヒトボさん。初めて一緒に写真を撮りました。
きっと、これから広いマンションに残される奥様は寂しがっているはずです。先日、特注でつくったマガジンラックは奥様ひとりには大きすぎますよ。
人母 敏和
支えてくれる沢山のお客様がいなければ、ミヤモト家具は成り立たない。彼もまた、まぎれもなく、私を支えてくれた、「大切なヒト」である（*^_^*）
宮本 豊彰
ミヤモト家具
INTERIOR SHOP MIYAMOTO
