オールドルーキー 畑 康志

 こんばんわ(^^)オーナーの宮本です。
四月に入り、新入社員による新しい出逢いや、転勤による別れなど、「出逢い・別れ」の多い季節になりました。今月からいよいよ社会人として働く男女の中には、恋人と離ればなれになってしまう彼氏・彼女も多かったことでしょう。
 ミヤモト家具では、長年に渡り私達を支えて頂いたH様が、岐阜に転勤になったということで、本日転勤先のアパートまで、新調した家具を納品しに伺ってまいりました。寂しいこともあれば、嬉しいこともあって当たり前。最初の出逢いと別れが小学校にあがる6歳の頃としたならば、かれこれ私も約30年程そんな人生を送ってきたんですね。
 ほーんと歳とったなぁああ〜(~_~;)

 という事で、きょうはミヤモト家具に今年度より入社しました新人の内、男前なほうから紹介したいと思います。
 出逢いは今から7か月程前。ちょうど来期の新卒社員を誰にしようかと悩み始めていた頃でした。そんんな時、「ここで働きたい!」と、意気揚々と自信たっぷりに現れた彼。聞くところによると、新卒でもなく、某大手メーカーで学校卒業後5年間、そして今も働き続けているという23歳。とりあえず面接はしたものの、正直当初の印象は最低最悪。何と言って諦めさせようかと言った言葉が、

 「うちでしか働きたく無いと言って来てくれた学生が大勢いるのに、自分はここがダメなら元の会社に戻ろうなんて虫がいいにも甚だしい。ここで働きたいなら、今の会社に辞表を出し、社員になれるかも分からない試用期間を経て、なお且つ今いるミヤモト家具のスタッフ全員を認めさせたとしたならば、社員にしよう。ただし無理なことを言っていると思う。そんな待遇もいい素晴らしい会社に勤めていながら辞めるなんて勿体無いだろ。今日は帰って良く考えなさい」

 と、ハチャメチャな事を言ったのは、彼を諦めさせようと思ったからである。ここまで言えば、もう電話もかかって来ないだろうと安心していた翌日。なんと彼から電話がかかった。

 「会社には辞表を出しました。そんな中途半端な気持ちで来たんじゃありません。もう一度面接させてください」

 正直、驚いた。そこまでする男を採用しないわけにもいかず、さしあたり、試用期間中はアルバイトからさせてみた。ちなみに大企業にいたとはいえ、インテリア業界では無縁の会社。何も分からないのは仕方がないが、何より不器用な男。間違え無く、過去に働いた全てのスタッフの中で最も出来が悪く、うちの店長にいたっては、「社長!彼はダメそうですね!」と言わしめた逸材である(笑)
 しかしながら、彼は人一倍よく働いた。皆と同じスピードでは仕事をこなせない為、彼の帰りはいつも遅い。ただ、一番下っ端な為、雑用をこなし、自分の仕事に取り掛かれるのも、いつも最後。夜中にしてくる質問はとても長い(笑)。
 全く不思議で仕方がないのだが、今月。彼の積み重ねた努力が、実を結ぼうとしている。しっかりとした知識をいつの間にか習得し、自ら制作したプランボードを基に、コーディネートから販売。更には家具のリペアに配送、カーテンや表札の取り付けに至るまで、いつのまにやら何から何まで、何でも一人でこなすようになっていた。


 言っちゃ悪いが、私の予想外も甚だしい(笑)

 
 きょう、配送中のトラックで、4月の個人売り上げが随分と順調な彼に、

 「お前よう頑張ったなぁ」

 と話すと、嬉しそうに、

 「…ハイ」

 と答える彼。人が見ていない所で努力をしなければ、全くの素人がたった半年で結果を残すことは難しい。
 先日、うちのお客様でもある風庵に、彼を連れて行ってきた。


 
                   


 複雑な家庭環境で育ち、この若さで父親を亡くした彼は、ミヤモト家具で働く前。とある場所でうちの杉田君と逢ったことがあるらしく、「うちは誇りを持って働いてるよ!」といった言葉や、店長やチイちゃんが働いている姿を見て、

            「ここで働きたい!これまでの自分を変えたい!」

 と思ったらしい。以前に勤めていた会社の待遇を捨ててまで、「やりがい」を求めて飛び込んできた大卒の新卒者より2歳年上のこの男。


                         オールドルーキー 畑 康志



 人一倍の「気持ち」があれば、若干の能力差と経験値はカバーできるんだなぁ〜 と彼を見て感じた、とても清々しい1日でした。人生、日々勉強ですね。自分もまだまだ、「気持ち」が足りんのかもなぁ〜(*^_^*)


                                       宮本 豊彰

ミヤモト家具

INTERIOR SHOP MIYAMOTO

http://www.miyamoto-kagu.net