副店長 澤田 千聖

 私がミヤモト家具をやり始めて、最初に入ったスタッフが、富山大学出身の岩井君という男だった。
 当時、彼がいなければ、「私は今頃どうなっていたのだろう」と思うほどに、彼はずば抜けて能力が高く、とびっきりの情熱を持った男だった。

 あれから10年以上の月日が流れ、最近になって、よく彼を思い出すようになったのは、なぜかひとりのスタッフを見てからだ。


        名前は「澤田 千聖(ちさと)」


 ご存じ、通称「チイちゃん」である。
 この度、彼女はミヤモト家具の「副店長」に就任する。

 夜中、私が仕事をしながらふと事務所を見ると、ひとり残って仕事をしている彼女と、当時の岩井君が重なって見える事がある。
 働き始めたわずか4か月目で新人の最高売上記録を更新しながら、私の頼んだ大量の仕事をそつなくこなす彼女を見た時に、

 「この子に、本当の仕事の面白さを教えてやりたい」

 そう思った。
 

 とある雑誌の取材で、スタッフさんの写真を送って欲しいと言われ、きょう、彼女の写真を撮った。

 
       


 あどけなさが残る、たった今、23歳の誕生日を迎えたばかりの彼女である。
   
 きょう手元に届いた富山大学のパンフレット


       


 卒業生を代表した3人の中に、彼女の写真と記事が掲載されていた。


       


 就職先の所には、ミヤモト家具の名前。
 なんだか、自分の事のように、とても嬉しかった。


 うちの鬼教官と呼ばれるベテランスタッフのともちゃんは、
「ちいちゃん、何やらせてもすごいね。センスも良いし、能力も高い」
 などと絶賛しているが、果たしてそうだろうか。

 彼女は確かに能力も高いが、それ以前に、誰よりも努力家である。
 彼女の帰りを、いつも最後まで見届けている私には分かる。


 とりあえず、うちの杉木店長に勝るとも劣らない、とびっきりの情熱を持った彼女は、この度、副店長に就任する。


 「岩井君!君のようなタイプも珍しくないな(笑)!また、遠くから見守ってやって下さい。君の後輩も捨てたもんじゃない。いつかきっと、大成するよ(*^_^*)」

                          宮本 豊彰

 ミヤモト家具
 INTERIOR SHOP MIYAMOTO
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